オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
甘い空気は一変して、
彼は急に私を突き放すような言葉を告げた。
明日は何処へ行くのですか?
そこには、私の知らない女性がいるのでしょう?
テレビや週刊誌で話題になっている彼のお相手。
『御影』の御曹司という彼の立場上、
プライベートもあって無いようなものだ。
そんな彼の人生の伴侶。
世間が放っておく筈が無い。
そんな雲の上のような人が、
こうして目の前にいるというだけでも信じ難い。
もしかしたら、さっきのプロポーズ的な言葉だって
あの場しのぎの冗談だったかもしれない。
ううん、きっとそうに違いない。
だって、私みたいな武術以外取り柄のない地味な女、
彼のような華やかな人生を歩んでいる人には不釣り合いだもの。
『俺を信じて待っててくれ』だなんて
嬉し過ぎるほど優しい言葉を掛けれくれるけど、
それさえもうわごとのようにしか聞こえないよ。
この人を、誰にも渡したくない。
私の傍にいて欲しい。
例え、優しい言葉を掛けてくれなくてもいい。
ただ、傍にいれくれるだけで………。
私は溢れ出す想いを堪え切れず、彼にしがみ付いた。
すると、