オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
永遠の秘密なんて、存在しない。
隠せば隠すほど、ぼろが出るというものだ。
実際、俺がこうして希和に内緒で調べている事も
彼女にバレてしまうのも時間の問題だろう。
ただ、彼女の性格からして
俺が調べている事実を知ったとしても
きっと、何事もなかったように振舞うだろう。
彼女はいつだってクールで、そして誰よりも心優しい女性だから。
新たに届いた調査報告書には、
八雲綾女と峰菱悠人との関係性についての詳細が記されていた。
二人の出会いは約一年前。
当時、八雲綾女が親が決めた相手との見合い中に
突如、一人の女性が乱入し、見合い相手の男の女性関係が発覚した。
男はその女性と結婚を前提に付き合っていたそうだが、
見合い相手が老舗酒造メーカーの一人娘で、かなりの美人だと知り、
当時付き合っていた彼女に内緒で見合いをしたという。
八雲綾女と見合いし、万が一上手く行けば、乗り換える気だったのかもしれない。
だが、勘の鋭い彼女が見合いの事を知り、乱入したという訳だ。
勿論、見合いの場が突如修羅場と化したのは言うまでもない。
その時、ちょうどその場所に居合わせたのが峰菱悠人。
自衛官である先輩の結婚式の2次会の帰りに
たまたま修羅場に居合わせたという。
憤慨した女性が男の頬を叩き、更には八雲綾女の髪を掴んだという。
これはあまりにも異常な雰囲気だと察知し、
峰菱悠人は周りの目も気にせず、止めに入ったという。
そんな風にして知り合った二人。
元々惚れやすい体質の八雲綾女が、峰菱悠人に惚れ込むのも時間の問題。