オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
空港に到着した車は関係者通用ゲートをくぐり、
指定された駐車場へと辿り着いた。
既にそこには、御影の護衛が十人ほど待機していて
私達を乗せた車を確認すると、
ドミノ倒しのように一礼をする彼ら。
御影の護衛が待機しているだなんて聞いてないけど、もう驚いたりしない。
隣に座る彼を守ることが出来るなら、
一人だって護衛する者が多い方がいい。
重厚感のあるドアが運転手によって丁寧に開けられ、
私と京夜様は静かにそこへ降り立った。
ダークグレーのスーツをビシッと着こなした彼は、
アスファルトの照り返しが眩しいのか、
双眸を少し細め、首を横に傾けた。
そんな彼の横に堂々と立ち、
手にしているクラッチバッグを日よけ代わりになるように持ち上げて
今自分に出来る限りの笑顔を作って見せた。
新ターミナルは、従来のターミナルに増設した形で建設されたもの。
昨年滑走路を増やした事もあり、そのニーズに応えた形となっている。
竣工式はその新ターミナルの開港に伴っての式典。
私と京夜様はスタッフに誘導され、式典の場所へと向かった。
空港独特の開放感のある吹き抜けロビー。
大きな窓からは、夏の青空を羽ばたく機体が見え、
ロビーには、あちらこちらに諸外国の文字が窺える。
入場制限されているそこに、既にマスコミ関係者が大勢いた。