オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
2 シンパシーと倉皇
希和side
京夜様のマンションに戻った翌日。
私はいつもより30分早く起きて、身支度を始めた。
『身支度』って程のものじゃないかもしれないけど、
やっぱり、好きな人には少しでも良く見られたい。
有るか無いかのプライドだけど、
それでも、彼に『女性』として見て欲しくて。
洗顔後の手入れなんて、
化粧水に乳液、美容液とUVケアが基本だけど、
今日からは真面目に……いえ、完璧にしなくちゃ!
私は薄らとベースメイクを施し、更にほんのりと化粧を施す。
鏡を見て、無意識に溜息が零れた。
やっぱり、肌がガサガサだ。
実家に帰っている間、肌の手入れを怠ったつけが
今頃現れて来るなんて……ホント自分が情けない。
これからは1にも2にも『綺麗』を目指して頑張らないと。
じゃなきゃ、彼の傍にいられない。
私じゃなくたって、彼の隣りに見合う人なんてごまんといるんだから。
鏡に映る自分自身を見つめて、決意を新たにした。
そして、朝食を作る為、キッチンへ向かうと――――。