オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


抹茶ラテを頂いた私は部屋着に着替える為、自室に戻ろうとすると。


「希和、着替えに行くのか?」

「はい、………いけませんか?」

「ん」

「え?」


今、いけないって言わなかった?

私の聞き間違い?


今着ているのは、実家に置いておいた服を母親が持ってきたもの。

デニムのハーフパンツにサマーニットという組み合わせ。

京夜様と知り合う前によく着ていたコーデだから、何となく恥ずかしくて。

別に物凄くダサいって訳じゃないんだけど、何となく………ね。


彼と生活するうようになって、体形は勿論のこと、

自分に合うお洒落なコーデを沢山勉強した。

朱夏の手助けが主なんだけど、自分なりにも努力はしている。

それに彼の隣に立つならば、それ相応の恰好を求められるしね。


だから、普段から気を遣っている。

別に苦じゃないし、最近じゃ楽しい方が優ってる。

だけど………。


現在の時刻、16時半を回った所。

そろそろ夕食の準備をしようと思ったのに。


彼は、ソファーから立ち上がった私の手首を掴んだ。


「夕飯は食べに行くからそのままでいい」

「……………え?外食するなら、猶更着替えないとなりませんよ」

「いや、そのままで十分だから」

「いやいやいやいや………」


朱夏と食べに行くなら十分なんだけど、

京夜様と食べに行くような恰好じゃないですよ、コレ。

カジュアルすぎて、入店お断りされちゃいますから。


私がブンブンと大きく顔を振ると、

口角をキュッと上げ、彼は不敵な笑みを浮かべた。


「外で食べる訳じゃないから」

「ん?………はい?」


外食するけど、外で食べないとはどういうことですか?

全くもって理解出来ません。

唖然とした表情で彼を見下ろすと、


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