オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「希和」
「ッ?!…………はい、何かご用ですか?」
私は京夜様に腕を掴まれ、制止させられた。
すぐ背後に全裸に近い彼がいる。
先程、不可抗力で見てしまった彼の姿を思い出し、
再び顔から火が噴き出しそうだ。
もう!!
こんなタイミングで腕を掴まなくたっていいじゃない!!
私にどうしろっていうのよ!?
私は視線を逸らしたまま彼の言葉を待っていると、
彼はベッドサイドの上から何かを手にして、
それを私の手にそっと握らせた。
「希和」
「………はい」
「俺はこれから出掛けるけど、お前はどうする?実家に帰るか?それなら、出掛けるついでに送ってくが……」
「………いえ、ここにいます。まだ掃除が終わって無いですし、料理の作り置きもしたいので」
「…………そうか」
「…………はい」
京夜様はスッと手を離すと、ゆっくり間を詰めて来た。
足音は無い。
けれど、彼が近づいたのが解る。
だって、ミントのボディーソープの香りが……。
そして――――――。