オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
私が唖然としていると、上半身裸のまま長い腕に囚われた。
もう~~ッ!!
そんな格好で誘惑しないでよッ!!
心臓が止まるか、鼻血が出るか……。
どっちにしたって平常心を保つのは無理じゃない!!
跳ね上がる鼓動と身悶えてしまう身体の震え。
さらに、彼のボディーソープの香りとお風呂上がりのしっとりとした肌。
そして、この突然の行動。
どれをとっても私が壊れる要因に違いない!!
無駄にダダ漏れ状態のフェロモン攻撃に撃沈の私は、
彼の腕の中で瀕死状態で成すがまま。
すると、はらりと解かれた腕。
けれど、しっかりと腰に回された彼の腕。
お風呂上がりのせいか、少し高めの体温が布越しに伝わってきた。
「希和」
「………はい」
「心配するな。きちんと断って来るから」
「…………へ?」
彼の言わんとする事が漸く理解出来た。
昨夜の話の事を言ってるんだ。
彼がこれから向かう先には………結婚する予定の女性が。
ズギッと心に痛みが走る。
そんな私に気付いたのか、彼は優しい笑みを浮かべて。
「男に二言は無いから」