オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
ホント、京夜様はズルい。
あんなにも完璧なカラダとフェイスと
うっとりするような甘い声音と熱い視線で
私の心を一瞬で鷲掴みしちゃうんだから……。
彼が出掛けた後、静かになったリビングで
私は彼に抱き締められた自分の身体を抱き締めていた。
……まだ余韻の残る身体を。
けれど、解ってはいてもやはり心がざわざわして……。
『御影』という大きな看板を背負っている彼にとって、
『結婚』は単なる結婚ではない事ぐらい私でも解る。
メディアがあんなにも注目してるんだもん。
もしかしたら、会食の席に押しかけてるんじゃ無いかしら?
もしそうなら、私が彼を守らなくちゃいけないんじゃない?
だって、私は……彼の護衛役なんだから!!
そうと分かれば、こんな所でボーっとしてちゃダメじゃない!!
私は慌てて自室へと向かった。
そして、身動きのし易そうな服に着替え、
携帯と財布を鞄に詰め込んだ。
そして、彼から頂いたこの家の鍵を手にして……。