オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
何も考えず、身を委ねて。
何年もの間、子供に恵まれなかったら、
養子を迎えるという選択肢もあるだろう。
なるようになるさと楽観的に生きれるほど、精神的に強くはない。
ありとあらゆる方法に挑戦して、
限りなく奇跡に近い確率に賭けるほど我慢強くもない。
世間から好奇な眼差しを向けられても、
我が子に対して、微塵も後ろめたさなく生きていく自信もない。
『親』になるならば、
どんなことがあっても、我が子を守らなければならないのに。
何度考えても、乗り越えられる勇気が………。
何故、私なのだろう?
何故、あの人なのだろう?
何故、なぜ、ナゼ?
考えても考えても、現実が変わらないように。
あの人を想う気持ちも変わらないのに……。
それでも、決断しなければならない。
先送りにすればするほど、あの人を苦しめてしまうから。
なるべく早くに伝えなければ……。
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育児休暇で休職中なのに、私を診察するために職場に顔を出したせいで、
エイミーは急に忙しくなってしまったようだ。
夜遅くまで同僚の医師からの電話を受けたり、
日中もララを母親に預けて、勤務先の大学病院に行っているようだ。
頼まれごとをされたり、困っている人に出会った時ほど
その試練や困難に立ち向かう事こそが生きるという事だと、彼女は言う。
だから、医師という職業は彼女にとって天職なんだと思う。
日中静まり返る室内に閉じ籠っていたくなくて、
景色のいい湖畔へと向かった。