オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
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「キィワ?………I’m always on your side! ガンバッテ! I’m sure everything is OK. ダイジョウブヨ」
「………ん」
「In the middle of difficulty lies opportunity. (困難の中にチャンスはあるからね)」
「Thank you……」
日本を離れて2ケ月が経とうとしている、とある日。
エイミーが勤務する大学病院に私はいる。
事の次第は、私が京夜様の直筆のメッセージを見つけた、あの夜に遡る。
泣き崩れる私に寄り添ってくれたエイミーの口から、
思いもしない言葉がかけられたのだ。
それは、事前に状態を良くしておいた上で、
奇形の子宮を手術するという提案だった。
御影の専属医師でもある担当医も言っていた。
だが、私の場合、ホルモン値や術後の状態があまり良くないこともあり、
手術をしても再び癒着する恐れもあると聞かされていた。
自分に置かれている状態を聞くだけで精一杯で、
医師の説明を軽く聞き流していたのかもしれない。
エイミーが説明してくれた資料によると、
シュトラスマンという形成手術で、
双角子宮の底部を内腔まで横に切開し、縦に縫合するという。
それにより、正常に近い形状になるという。
問題は、形状は正常に近い形になったとしても、
機能が正常に戻らなければ意味が無いということ。
そこが一番のネックなだけに、私も不安が隠せなかった。
すると、エイミーは1枚の紙を差し出した。
そこには、達筆な字で私の心を震わせる言葉が綴られていた。