オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
最強の医師団が手術に向け、綿密な打ち合わせをしている間。
私はすっかり弱っている体を元に戻すため、トレーニングを開始した。
運動することで免疫力も上がるし術後の回復も早まると言うから、
湖を周回するコースを自ら課して。
更に柔軟な筋肉の方が術後の経過も良いと言うので、
筋力トレーニングよりもヨガ的なストレッチを重点的に行った。
そして、今日。
いよいよ手術当日を迎えたのだ。
病室から手術室へと向かう中、エイミーがずっと手を握っていてくれた。
両親には心配かけたくなくて、手術が無事に終わったら連絡して貰うことにしている。
医師団を通して、お義母様へ連絡は入っているだろう。
手術前のナーバスな状況で、余計な気を遣わせないようになのだろうか?
お義母様の姿はない。
だけど、それが有難かった。
援助をして頂けるだけでも有難いのに、それ以上を望んでは……。
ここからは、自分との闘いだから。
慣れない異国の地で闘うのだから、少しでも弱気になってはダメ。
前だけ向いて突き進まないと……。
例え、自分が描いた未来と違う結果であったとしても
今より少しでも先に進むために。
スクラブを着た医師と看護師に囲まれ、手術室の扉をくぐった。