オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「御影さんのお気持ちは、お察し致します。立場が逆でしたら、私でも一つ返事は出来兼ねますので」
「…………」
「ですが、私も譲れないんです。同じような境遇で育った貴方なら、お分かり頂けますよね?」
「……………それは……」
「お願いします!!半年!いえ、3ヶ月!……ううん、年内には結論を出しますので、どうか、それまでの間、私の婚約者になって頂けないでしょうか?…………どうか、お願いします」
彼女は俺の目の前で土下座した。
良家の娘が土下座をするほど、相手を深く想っている。
俺も彼女と同じように、
今日は彼女に土下座をして許しを請うつもりでいた。
それほどまでに希和を大切に想っているからこそ、
俺のプライドなど捨て去る事なんて容易い。
きっと、彼女も同じように
相手の事を心の底から大切に想っているのだろう。
「頭を上げて下さい」
「いえ、………承諾して頂けるまでは上げるつもりはありません」
俺はどうしたらいいんだ。
希和に辛い思いはさせたくない。
今まで散々嫌な想いをさせて来た。
だからこれ以上、彼女を悲しませたくない。
俺は打開策を見出すべく、口を開く。