オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
彼と再会して10日。
このたった10日で、彼は今日の全てを計画準備した。
人生にたった一度の最高の時を演出するために。
ますます彼のことが好きになったのは言うまでもない。
ウェディングドレスも教会のイメージと合わせる為に作り直してくれた。
以前は純白のふんわりとしたドレスに沢山のダイヤが散りばめられたティアラの装いだったが、
私が彼の目の前で着たスノーホワイトのショードレスがよく似合っていたからと
少し色味のついたシャンパンホワイトのロングトレーンのマーメイドドレスを。
豪華な刺繍と沢山のパールが施され、とても10日で仕上がったとは思えない。
そして、一番驚いたのが、このヘッドドレス。
ドレスのパールと合わせて沢山のパールがあしらってあり、
小枝と星をモチーフにしたヘッドドレスは長く伸びた髪に合わせて作らせたようだ。
さすが、御影。
恐るべし。
ベール越しに彼の顔を見ようと視線を向けると、
彼の指先がヘッドドレスへと伸びて来た。
そこは、私と彼が愛を育む特別な場所で。
そっと撫でられるその感触がたまらなく倖せで。
頬が緩みに緩んでしまう。
ベールで少しでも隠せるのが有難い。
お互いの両親と牧師様。
そして、彼と私だけの厳かな挙式。
見えない所に護衛の人が待機しているとはいえ、
本当に夢に描いた挙式そのもので………。
私が呟いた言葉を全て拾って下さった結集が形となった。
左手の薬指にはエンゲージリングと重ねることで一体になるマリッジリングが。
嵌める前に組み込むように合わせることで一体感が生まれるオリジナルリング。
彼は満足そうだけど、どう見ても豪華すぎるし、私には不相応な気がして。
だけど、いつの日か。
このリングが私の指に馴染む時が来ると信じて。