オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
そして、待つ事………十数分。
目の前には湯気の立つ美味しそうなオムライスが現れた。
「言っときますけど、サラダは有りませんからね?スープの代わりに野菜ジュースで我慢して下さい」
「………ん」
ほんの少し不機嫌な彼女は、
溜息を零しながら俺の相向かいに腰を下ろし、
俺が買って来たコンビニの弁当を食べ始めた。
しかも、いつの間にか温めたようで……。
「お前もオムライスにすれば良かったのに」
「………」
「おい、聞いてるのか?」
「冷凍庫に1食分しか、ご飯のストックが無かったんです」
「へ?」
「そんな事はどうでもいいですから、冷めないうちに召し上がって下さい」
「………ん」
先程のガサゴソ格闘してたのは、冷凍庫や食糧庫を漁ってたのか。
卵は数日前にコンビニで俺が買って来た物だろう。
きっと彼女の事だから、
添加物がどうとうか、油がどうとか、
俺の身体の事を最優先に考えた結果だと思う。
再び訪れるとは思わなかった、彼女と囲む食卓。
しかも、彼女の手料理を口にする事が出来るだなんて。
思わず、感動して涙腺が緩み始めると……。