オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「本当に……形だけですよね?」
「あぁ」
不安な色を滲ませ、涙声で訴えて来る。
「約束して下さい」
「………何を?」
俺の瞳を見据えたまま腕を伸ばし、
真摯に向かう体勢に変わると―――。
「心は決して差し上げないと、誓って下さい」
今にも大粒の涙が溢れて来そうな彼女の頬に手を添えて。
「当たり前だ」
「誓うと……言って下さい」
ポトリと1粒の涙が頬をつたう。
それを親指で拭い、
温かい雫を纏った指先は震える唇へと。
「誓うよ…………心から」
俺は彼女の腰を抱き寄せ、
グッと近づいた彼女の額に口づけをする。
そして、ゆっくりと唇を這わせて
涙に濡れた瞼に口づけをする。
更にゆっくりと唇を滑らせて
涙に濡れた頬を拭う。
ゆっくりゆっくりと想いの軌跡を描くように
彼女の唇へと辿り着く。
二度と不安な想いを声に出来ぬくらい
俺の愛で満たしてあげたくて………
―――――――誓いの口づけをした。