オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
3 想いのディスティネーション
京夜side
翌週の月曜日。
希和は俺のマンションから警備会社へと。
本当なら直ぐにでも辞めさせ、
俺の隣りに、24時間片時も離れず居て貰いたい。
けれど、天宮との関係が落ち着くまで、
俺の傍に居させたら、それこそ彼女を傷つけてしまいそうだ。
俺は出勤前に実家へと向かった。
「おはようございます、京夜様」
「母さんは?」
「リビングにいらっしゃいます」
エントランスに車を横付けすると、母親傍付の執事・吉沢が駆け寄って来た。
「父さんは不在だよな?」
「はい、先週よりスペイン支社へ……」
「そうか、車を頼む」
「承知しました」
会釈する吉沢に車の鍵を渡し、リビングへと急いだ。
父親がいない方が好都合だ。
リビングへ入ると、母親が待ってましたと言わんばかりに腰を上げた。
恐らく、一昨日の会食の手応えを聞きたいのだろう。
「珈琲を頼む」
「畏まりました」
使用人に珈琲を頼み、母親と向かい合う形で腰を下ろす。
暗黙の了解とでもいうのか、
珈琲が運ばれて来るまでお互いに口を開かず、牽制し合う。
そして、俺の前に珈琲が置かれると、
母親のアイコンタクトにより、使用人達が席を外した。
そして―――――。