オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
そこには既に天宮凪彩がいた。
俺らの到着に合わせ席を立ち、
俺の隣りにいる希和に真っ直ぐと視線を向けている。
その視線に耐え切れなくなったのか、
俺の手を握る希和の手に力がこもる。
俺は安心させようとギュッと握り返した。
すると、
「初めまして、天宮凪彩と申します。今日はお休みの所、お越し下さり有難うございます」
天宮は希和に対して、誠意を表すかのように深々と頭を下げた。
そんな彼女に応えるように、希和は俺の手をそっと離して。
「こちらこそ、初めまして。松波希和と申します」
希和もまた彼女に対して一礼した。
「失礼致します。珈琲をお持ち致しました」
2階に上がる際に注文を聞かれ、珈琲を注文していた。
カフェオーナーであるご主人がテーブルに珈琲を置いて行く。
「ご心配には及びません。今日は2階を貸し切りにして頂きましたから」
「………そうですか」
俺らは上着を脱ぎ、テーブルに着いた。
すると、天宮が希和を真っ直ぐ見つめ話し始めた。
「御影さんが想いを寄せる方って、一体どんな方だろう?って、ずっと思ってたんです」
「………はぁ」
「一目見て、解りました」
「え?」
「水のように、とても澄んでいて綺麗な瞳をしていらっしゃる」
「………」
「私のように、計算して彼の心を射止めたいなんて考えた事もないですよね?」
「………」
「お2人が本当に羨ましいです」