オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
けれど、いつになっても俺の手に触れる感触は訪れず。
痺れを切らし振り返ると、
そこには頬を赤らめた彼女がいた。
「ん」
「へっ?」
「ん!」
「………」
「んッ!!」
俺は完全に苛立ちムードで、
俺の手を掴む事を躊躇している彼女の手を掴んだ。
そして、有無を言わさず手繰り寄せる。
ボスッと沈むソファ。
彼女からボディーソープの心地良い香りが漂ってくる。
俺の横に座る彼女は恥ずかしそうに視線を落とし、
先程までの勢いはどこへやら……。
まさしく、形勢逆転的なこの光景。
フッ、この俺様を追い込むなんて100年早ぇーよ!!
俺は緩む頬を必死に堪えながら、
硬直する彼女を横抱きした。
すると、ビクッと身体を震わす彼女。
それさえも愛おしくて、
ついつい底意地悪い性分が顔を見せる。
「理由が聞きたいか?」
「ふぇっ?」
「フッ、何だ?その、間抜けな声は」
「ッ?!////だ、だって……」