オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「京夜様?」
「自宅でしかこんな事をしてやれない。今ぐらい手でも掴んでろ」
「ッ?!////は、はいっ!!////」
スッと差し出された彼の手をギュッと掴むと、
引き寄せるように彼のすぐ横に………。
「苦労をかけてすまない」
「いえ、大丈夫です」
こんな風にちょっとした優しさでもみせてくれたら
私はどんな事だって我慢が出来そうな気がする。
彼が私をちゃんと見ていてさえくれれば――――。
地下駐車場に着くと、当然のように彼は後部座席に乗り込む。
私はそんな彼を見届け、素早く運転席へ乗り込んだ。
「では、出発致します」
「ん」
仕事用のセダン車で御影本社へと車を発進させた。
本社のエントランス左横に車を横付けし、
後部座席のドアを開けると――――――。
折り畳まれていた長い脚がスッとドアの隙間から姿を現す。
彼は既に専務の顔になっている。
そんな彼の左斜め後ろを確保し、
優雅に歩く彼の後を必死に追いかけて……。
彼と私の登場に、否応なく社員の視線が突き刺さる。