オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
京夜side
希和と共に本店の最上階にある応接室へ顔を出した。
そこには既に俺の父親でもある社長と
凪彩の父親である天宮製薬の社長と凪彩
そして、凪彩の想い人・社長秘書の三浦がいた。
「遅くなりまして、申し訳ありません」
「いや、忙しい時期に無理を言って申し訳ない」
社交辞令の挨拶を交わし、イベントの最終確認を済ませた。
「では、私は一足先に会場にて最終チェックを行いますので……」
ソファから立ち上がり会釈すると、
「うちの役員が何名か、会場に顔を出すと思うのだが……」
「…………承知しました」
「すまないね」
「いえ」
今一度会釈し、部屋を後にする。
バックヤードにある従業員用エレベーターで1階に向かう途中。
「希和」
「はい」
「さっき、天宮社長の後ろに立ってた男が三浦だ」
「はい」
「あの男次第だから……」
「…………はい」
俺の前に立ち、フロア表示を見上げている彼女。
俺はそんな彼女を背後から抱きしめた。
心配するな。
俺はお前しか見ていない。
……そう伝えたくて。