未来を変える殺し屋
ストーカー
国道から小路に曲がり、しばらく進むとトンネルが見えた。


「あそこが目的地だ」


と男がハンドルを切りながら言った。


“千鶴が殺される日”当日だった。


俺は男が運転する赤いスポーツカーの助手席で、ぼんやり外を眺めている。


外はすでに暗くなり、ほんの僅かな街灯だけが辺りを照らしていた。


周りには畑や公園があったが、住宅はほとんどない。


人通りも少なく、確かに人を殺すには最適な場所かもしれないと思う。


男はトンネルから少し離れた脇道に車を止めた。


「ここで様子を見よう。そろそろ真壁千鶴がこのトンネルを通るはずだ」


「そこでストーカーが千鶴を襲うのか」


「見ていればわかる」


男はどこからか拳銃を取り出し、それを無表情で見つめた。
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