未来を変える殺し屋
「はは、ははは」


俺は、おかしくもないのに笑っていた。


千鶴が依頼した?


もう誰も、誰も信用できない。


「いいか、葛城君。いや、ストーカー」


男が拳銃を当てたまま言う。


「彼女は、二年半もおまえのストーカー行為に耐えてきたんだ。これ以上、彼女を苦しめるな」


「俺はストーカーじゃない。俺はストーカーじゃない」


「過去におまえが付き合っていたと思っている二人も、ストーカーの被害者らしいな。悪いが、これ以上おまえを生かす気はない」


「俺はストーカーじゃない。俺はストーカーじゃない。俺はストーカーじゃない」


「最後に、言い残す事はあるか?」


人生に悔いはないと思っていたのに。


千鶴だけは、俺を気にかけてくれると思っていたのに。


「ちきしょう」


俺は最後に、呟いた。



終わり
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