未来を変える殺し屋
「どうして彼女の名前を知っている」


俺は身を乗り出して尋ねた。


「そう焦るな。お茶くらい出してくれたっていいんじゃないのか?」


「いいから答えろ」


「やれやれ、せっかちだな」


男は煙草を深々と吸い、ゆっくり吐き出した。


狭い部屋に煙草の煙が充満する。


「順を追って話そうじゃないか。葛城隆志くん」


「俺の名前まで知っているのか」


「ふん、当然だろ。私は占い師だからな。何だってわかる。君の彼女の名前もな」


俺はちゃぶ台を思いきり叩いた。


古い木の鈍い音がする。


「だから、なんで知っているのかを聞いているんだ」


「やれやれ、今言っただろう。私が占い師だからだ。同じ事を言わせないでくれるか? 嫌いなんだ」


「占い師だから何でもわかるとでも言うのか」


「その通りだ。君の事も全てわかるし、未来だって見通せる」


「わかるわけないだろう」


「わかるんだよ」


男は強い口調で言った。


俺はこのことについて、これ以上詮索しても無駄だということを悟った。
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