『風のいたずら…』改訂版
「おまえ…いつからあんな下着つけるようになったの?」
ハッとして振り返ると教室には私たち二人だけになっていた。
「…もしかして今朝…踊り場に居たの?」
面白くなさそうな表情をした私の幼馴染は
「あぁ…そうだよ…」と返事をした。
「まだ俺の質問には答えて貰ってないけど…」
「たまたま今日だけだよ…いろいろ事情があるの!」
二人で今朝の話をしているところを同級生に見られたくはない。
『私もう…帰るから…』
急いで教室を出ようとしたら腕を掴まれ黒板横の壁に追いやられる。
「その事情とやらを聞かせて貰おうか?」
彼はそう言いながら私の顔の直ぐ横の壁に両手を突いた。
物心が付き始めてから一番の至近距離にドキドキが止まらない。
「今朝のセクシーな下着をつけてたのはおまえじゃない…って
あそこに居た皆を説き伏せたのは俺だから感謝して貰わないとなぁー
いつもは淡いピンクとか淡いブルーとかのシンプルなもんばっかだろ?」
皮肉めいた物言いなのに…彼の表情は真剣そのもの。
「助けてくれたのは分かったし有難くも思うけど…私のスリップ事情まで何で知ってるのよ?」
「家が隣なんだから仕方ないだろ…偶然に目にしただけ…」