『風のいたずら…』改訂版
全く悪びれもせず堂々とそう言い切った彼は
「おい…帰るぞ」と
私の手を握ったまま教室を出て行く。
その半歩後ろを急ぎ足で付いてゆく私。
「おまえ…今日みたいな下着、もう絶対学校に着けて来るなよ!」
彼がややキツイ口調でそう言うから
「今日の出来事でホトホト懲りました」
私は笑いながらも素直にそう口にしていた…
「でも…俺の前だけだったら、あのセクシーなの着てもいいからなぁー」
後ろを振り返りながら私にそう言った彼の顔は
オレンジ色のグラデーションに彩る夕焼けみたいに頬が染まる。
そんな彼がとても可愛く見えて…
「うん…考えておく…」そう返事をした私。
寄り添う二人の影を映したその場所に…
もう風は吹いていなかった…
(おわり)