片想い電車【完】
いつもは茜と寄り道しながら帰る為、この時間帯の電車は初めて。
いつもより早い電車に間に合うように時間を空けて来たつもりが、早く来すぎてしまったようでまだ時間がある。
駅のホームに降り立った時、
ドンッ
何かに当たって尻もちをついてしまった。
「す、すみません。急いでて。ケガなかったですか?」
上から声がかかる。
声的に高校生だろうか。
「いえ、私も不注意で…。」
そう言って顔を上げる。
「え、杏…?」
そこには蓮斗が居た。