片想い電車【完】
なんで、なんでそんな悲しそうなの?
私なんて、どうでも良かったんでしょ?
だから、黙って引越したんでしょ?
「だから…違…っ。」
泣きそうになり、俯く。
「本当に…?頼む。俺、本当に探してるんだ。」
小学生の頃、私の前だけクールじゃなかった蓮斗。
探してるなら、なんであの時置いてったの?
なんで黙って引越したの?
聞きたいことは山程あるけど、私が白坂 杏里だとは言えない。
「違うわ。」
会いたくなかったよ。
想い続けてひっそりと終わらせようと思ってたから。
まさか、本当に再会するなんて思ってなかったから。
ううん。
本当はね。