片想い電車【完】
「大丈夫?気分悪い?」
ずっと俯いていたせいなのか、女の人の声が掛かる。
「いえ、大丈…。え…?杏奈…さん?」
大丈夫です。と言おうとして顔を上げると、そこに居たのは蓮斗のお姉さんである、蓮見 杏奈(ハスミ アンナ)さん。
「杏里ちゃん…っ?!」
杏奈さんは私だったことにびっくりした顔をしたけれど、一瞬のうちに顔が輝いた。
「お久しぶりです。」
軽く会釈をしながら挨拶をする。
「や〜ん!!お久しぶり〜!!」
そう言いながら抱きついてくる杏奈さん。
ちなみに、杏奈さんは抱きつき魔である。