片想い電車【完】
「れ、れん…と、です…か?」
「そうそう、懐かしいでしょ〜。」
杏奈さんは多分、いつものペースで思いついたことを言ってるだけだろう。
杏奈さんは天然なので、策士ができるタイプではない。
ならシラを切り通すのが一番であると悟る。
「な、懐かしいですね!!まだ会ってないんですよ〜!!」
よし、いけた!!
と思った矢先
「あら、それじゃあ、会ってみようか!!実は今日電車同じなの〜!!」
すごく嬉しそうな顔をして携帯を操作する杏奈さんが目に入る。
「え、杏奈さん待っ…!!」
プルルルルルルル
プルルルルルルル
止めようとしたら、時すでに遅し。