片想い電車【完】
茜は何も悪くないんだ。
茜は気付いてくれた。
そして、聞いてくれた。
心配させる前に、私が話せばよかった。
私、ずっとずっとつらかったんだ。
悲しかったんだ。
蓮斗を避ける理由がイマイチ分からなかった。
でも、私は今分かった。
「茜、私…怖かっ…!!」
「分かってるよ、杏里。分かってる。」
私、無意識の内に怖がっていたんだ。
気持ちを伝えて、前のように戻れなくなること。
蓮斗に振られると思うと。
怖くて、怖くて、逃げたかったんだ。