片想い電車【完】
「…ねぇってば!!」
「え?」
考え事をしてる間に、何か言われてたらしい。
私は聞いてなかったのでぽかんとした顔を向ける。
「だから、あの人とどーゆー関係でそんなことがあんたに言えるんだよって聞いてんだよ!!」
ど、どーゆー関係…かぁ。
そんな風に聞かれると答えにくいな…。
「関係なんて、ありませんよ。ただ、あの人は私の大事な人、なんです。」
尚も反論しようとする彼女に携帯を返す。
「じゃあ、私はここだからさよなら。」
彼女はまだ何か言いたそうな顔をしていたが、無視して電車から降りる。
苦い後悔だけが胸に残っていた。
私は、これを蓮斗が見ていたなんて思わなかったんだ。