サクセサーズ
二人は人だかりから離れて、またぶらぶらと歩き出した。この国民の中では革命軍の話でもちきりらしい。



至る所に頭領の顔が描かれたはり紙が貼ってある。アレンはニヤリと白い歯を出して笑った。



「どこの誰だかは知らんが、中々強そうだな。一度手合わせしたいものだ」



気分が高揚しているアレンとは対照的にリリィはおろおろとした様子で、髪を弄りながら言った。



「は、早くファラオに紋章もらって次の場所に行かないと、革命が始まっちゃうかも。し、死ぬのだけはイヤ…」



それを聞いたアレンはくっくっと声を押し殺して笑った。



「大袈裟だな。リリィは関係ないだろ?革命軍が倒したいのはファラオだ。俺達は全くもって国王側とは関わりがない。


戦いたいのは山々だが、今は紋章をファラオからもらうのが先だ。それが終わったらサッサとこの国を後にしよう」



アレンの意見に賛成して、うんとリリィは言った。そうこうしているうちに、二人は宿屋に着いた。



簡易なベッドがあるだけの小さな宿屋ではあるものの、野宿するよりはまともであろう。チェックインをして荷物と服装を整える。

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