サクセサーズ
リリィは恭しくどういたしまして、と言った。怒らせてたらどうしようと怯えていたが、その心配はなさそうであった。


「と、とにかく無事でよかった。わ、わたしはリリィっていいます。よろしかったらあなたの名前を聞かせてもらえませんか?」



青年はポケットからグローブを取り出して手にはめながら答えた。


「俺はアレン。リリィっていうのか。よろしくな。もっと普通に話してくれていいぞ」


「ふ、ふつうに…ですか」



「そう。その探るような感じの口調。あともっと砕けた感じで話していい。なんか、調子狂うから」



「は、うん…」


リリィは、はいと言いかけたがすぐにうんと答えた。
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