サクセサーズ
「おい。大丈夫か」


アレンは転びそうになったリリィの細い腰をその腕で手繰り寄せた。


「あ、りがとアレン…」


「魔法、使い慣れてないんだろ。まったく。村まではどこだ」


「あ、あっち」


リリィは村の方へ指を指した。アレンはよし、とうなずいてリリィを抱きかかえた。


「行くぞ」


「あ、えああちょっと…」


リリィは魚のように口をぱくぱくさせた。下手なことを言ったら怒鳴られそうな気がする。そう思うとかける言葉もみつからない。


このまま村に着いちゃったら、村の人たちにどんなことを言われてしまうだろう!そう思うとどんどん顔が赤くなっていった。

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