サクセサーズ
「お、追いかけなきゃ…」


リリィはふらっと厨房の裏口から外へ出ようとしたが、アレンにその腕を掴まれて引き戻された。



「今行ったら奴らの思うツボだ。城下町には革命軍の密偵がウヨウヨいる。夜が明けてからにした方がいい」



「そ、そっか…」




アレンの言うことも一理ある。夜も完全に更けて真夜中である。今行動するのは危険であろう。





「革命軍はパーズという地域の闘技場にアジトがあるといいます。ここから少し北に向かった所です。

以前は隊商でが出ていたのですが今は出ていないでしょうね」




隊商がでていないということは徒歩で向かうしかなさそうだ。


砂漠は昼は灼熱の太陽が照りつけ、太陽の落ちた夜は寒く、確実に体力を奪っていく。移動に時間をかけている場合ではないのだ。
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