サクセサーズ
二人は部屋に戻って、疲れた体を休めることにした。出立は明日とは言わず、準備を万全にしてからということになった。


カフラーから受けた地の紋章。リリィの魔法の数が格段に増えた。しかし、経験が浅いこともあって使える魔法はわずかだ。何度も唱えて自分の手にすることしか方法はない。



補助魔法は使えても、攻撃魔法が使えないことはかなりの痛手である。アレンばかりに守ってもらうわけにはいかない。自分の身は自分で守らなければ意味がない。







アレンはもう寝床に着き、リリィは窓から夜空を眺めていた。空の上には雲一つなくたくさんの星達が見守るかのようにきらきらと輝いている。




ジルやこの国民のように闇の力に侵食されていく人たちをどうやって助ければいいのですか。わたしのような継承者では力不足です。どうか、導きを示してください。


リリィは指を組んで星達に祈った。
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