サクセサーズ

アレンは静かな外れの席で果物のジュースを飲んでいた。ほんのりした甘い果実の香りを味わった後、ゆっくりと口に運んだ。すると、見慣れない男がアレンの元へやって来た。




「隣ええやろか？」




異国訛りのある言葉で話しかけてきたその若者。見るからに自分と同じ観光客のように思われた。




癖のある赤毛。赤色と言うよりは橙色と言った方がいいだろうか。色白で、身体は筋肉があまりついていない。細面で弱そうな感じだ。身長もアレンより若干低い。




アレンが勝手にしろとぶっきらぼうに言うと、おおきにと若者は言って隣の席に座った。



「あんた、見慣れへん顔だな。観光客？」



馴れ馴れしく聞いてくる若者に嫌気がさして、アレンはああといい加減に答えた。若者はそんな彼の態度を全く気にしておらず、話し続ける。