サクセサーズ
アレンはその場に立ちつくしたままだったが斧が降りかかる瞬間にサッとギリギリの所で避けた。



「なっ…!」



「おっと、危ない」



ダグラスも一瞬驚いた表情をしたが避けられたのは偶然だと思ったのかまた余裕の笑みを浮かべ斧を振り回した。



斧が迫って来るたびにアレンはギリギリの所で避ける。反撃はせず、只々避けるのみ。



周りの者たちは、言葉を失った。村で一番強いダグラスがこんな弱そうな男に傷一つつけられないなんて。リリィも息を飲んで戦いを見守った。



アレンは避けるだけで何もしなかった。
攻撃をしかけてこないけれども的確に攻撃を避ける。これがダグラスの余裕を焦りへと変えた。



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