サクセサーズ
(何故だ…何故攻撃してこない)



焦りと斧の重さでダグラスの動きが鈍くなってきた。その様子を見てアレンは小馬鹿にしたように笑った。



「ふん、そんなもんか。じゃあそろそろ攻撃するかな」



振り下ろされた斧をスッと避けて無防備な足を斬りつけた。斬りつけられた足からは鮮血が流れる。



「グッ…」



ダグラスはあまりの痛みに正面から倒れた。立ち上がろうとしたが立つことができない。顔を上げた時には剣の切っ先が目の前にあった。



ダグラスはアレンを鬼の形相の如く睨みつけた。



「足を狙うとは卑怯だな若者よ…」




その言葉を聞いたアレンは剣を顔ではなく首に近づけた。そして勝者である彼は冷ややかな目で敗者を見つめた。



「言いたいことはそれだけか?俺は卑怯で嫌味な奴でさ…そんなこと聞き慣れた。本当は首をこれで掻っ切ってやりたいんだがな…」



クックっと声を殺して笑うと剣の切っ先をダグラスの太い首に軽く刺した。剣に鮮血が滴る。





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