サクセサーズ
小さな家
黙って歩くアレンの後をリリィはひたすら着いていった。


殺気立ったアレンを見てしまい、言葉をかけたらいいのかわからないまま。思い返せば、冷気すら感じた気がする。



言葉をかけても今は焼け石に水。逆効果とふみ、ただただ歩き続けた。




この辺りは比較的標高が高い。それゆえに雪は降り積もり、夜は吹雪いて寒く、吐く息が白い。寒さが体力をどんどん奪ってゆく。



「は…はあ…さむい」



防寒具は身につけているものの、その冷たい風は防寒具を貫いて地肌に当たる。
腕と脚の感覚が消えてしまいそうだ。



「大丈夫か?」



アレンは平気そうな顔で話しかけた。声色もそこまで恐ろしいものではなく、少し落ち着いたものであった。



「ほら、あそこに家が見えるだろう。泊めてもらえるように頼んでみよう」



アレンが指を指した所は、小さな一階建ての家。明かりがついているところを見ると、人は住んでいるようだった。



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