サクセサーズ
リリィは自分が育った村のこと、友達のこと、アレンと出会ったこと…とにかく聞いてもらいたいことをたくさん話した。


人と話すのが不得意なリリィの話をジルはちゃんと頷きながら聞いた。話一つ一つに反応してくれるおかげでリリィは安堵の表情をしていた。



「あ、あと…わたし魔法が使えるの。光の魔法。見てて…ルミナ」



ルミナと呪文を唱えると、リリィの両手から綺麗な光が出現した。それはきらきらと光っていてまるで星の光のようだ。



ジルはぱちぱちと目を瞬きさせ、すごいと嘆息をもらした。



「リリィは、光の魔法が使えるのね。実はあたしも使えるの。魔法」



得意げにニヤリと笑い、風呂場から出てきたアレンに向けて手を翳した。



「お、いい実験台…ウィンド」




すると、掌から風が発生してアレンめがけて飛んでいった。それは、一瞬で濡れていたアレンの髪を乾かしていた。



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