サクセサーズ
体を引き裂かれ、肉を食いちぎられる。



早くしないと一貫の終わりなのはわかっている。死ぬ。死んでしまう。




恐怖が頭の中を横切り、それに心も掻き毟られていた。




「あああああぁあああぁああ!!!」



けたたましい喚き叫ぶ声がどしゃ降りの雨の中響き、稲妻がピシャンと落ちた。








(…今思えば、恐ろしかったな)





アレンは眉間にしわを寄せて、長嘆息を漏らした。あんな悍ましいものと戦うと考えると、正直ゾッとするのとワクワクする気持ちが入り混じる。



(……旅は長くなるだろうな)



難しいことを考えていると、段々と瞼が重くなってきて意識が遠退いて行った。
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