サクセサーズ
荒々しくドアを閉める音が聞こえた後、リリィは寝ているアレンに近づいた。



規則正しい寝息をたてている所からすると、どうやら深く眠っているようだ。



白い肌。艶やかな黒髪。長い睫毛。目は閉じているから、目つきの悪さは気にならない。



一つ歳上なだけなのに圧倒的に大人っぽくて色気がある。



「な、なに考えてるんだろう…」




リリィは顔を真っ赤にした。ぶんぶんと首を横に振って気持ちを落ち着かせる。



「毛布、かけてあげよう…」



ベッドの上にかけてある毛布をかけてあげようとしたその時に、アレンの眉間に皺が寄り、青の瞳が静かに開いた。



「ん…?何やってるんだお前」



アレンはぱちぱちと瞬きをして、毛布を持っているリリィを見つめた。






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