サクセサーズ
「何より守ってあげたくなる…そんな気はしない?」




アレンはジルに言われたことを思い出していた。あのアマ、調子に乗りやがってと腹の中で思いがふつふつと湧き上がっていた。



今まで女性と一緒にいる機会が少なかっただけであって、この気持ちは恋ではない。そう。断じてそうではない。



ただ、オロオロするリリィを見ていて苛々するという感情というものがないのだ。



むしろ、近くにいて落ち着くという感情。




「く、くそ…俺どうかしてる」




顔が熱くなるのを感じた。アレンは徐に立ち上がって、リリィの側に向かった。
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