サクセサーズ
頼りない雰囲気の彼女だが、こう見えても魔法が使えるのである。魔法を使える者は、世界でも数える程度しかいない。


なぜ、彼女が使えるかは自分自身でもわかっていないようであるが。



「きょ、今日も無事にすごせるといいな」



いつもおどおどしていて、口調も探るよう。本当は、心の優しい少女なのだがその性格が裏返って彼女をよりネガティブ思考にさせている。




小道を軽やかな足取りで進んで行くと、
花畑のある丘への分かれ道が見えてきた。



「あ、れれ…珍しいな」


大木に人がもたれかかっている。ここで昼寝でもしているのだろうかとリリィは思った。


近くに行くと、リリィはその人を見て思わず手に持っていたカゴを落としてしまった。







< 7 / 212 >

この作品をシェア

pagetop