サクセサーズ
(ど、どうしよう…震えが止まらない!わたし、どうなっちゃうの)



三つ編みを引っ張ったり、髪の毛を掻き毟ったりヒステリーを起こしかけているリリィにキーラは話しかけた。




「落ち着きなさい。お主に授けたい物があるのだ。少しかがんでくれんかのう」



「は、はい…」




リリィがしゃがみ込むとキーラはリリィの前髪を掻き上げてそこに皺だらけの自分の手を当て、静かに詠唱をし始めた。




「星よ…この者に新しい印を授けたまえ
!」



キーラの手元からあたたかな光が溢れ出した。あまりの眩しさにリリィはギュッと緋色の瞳をつぶった。



アレンはその光景を固唾を飲んで見守った。ジルも黙ってそれを見ていた。光は徐々に明るさを失っていった。




キーラが詠唱を終えて手を離した時には、リリィの額に光をかたどった紋章が刻まれていた。


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