サクセサーズ
「たあっ！！」



ジルは曲をえがいた剣を思い切り振り下ろし黒い影を切り裂く。人の形をした影は真っ二つに裂けて、はらはらと地面の下に落ちて行った。




アレンも剣を振り下ろし、突き刺す。流血や断末魔をあげないものの、戦うことの興奮を抑えるのがやっとだった。



「全滅させるまでの辛抱だ…」



ジルはアレンよりも素早く、どんどんと黒い影を切り裂いて行く。まるで剣舞をしているかのような動き。思わず身惚れてしまうほどである。




「だ、大丈夫ですか…！」



その時リリィはケガをした住人を助けに行った。深く腹を切られて重症で虫の息ではあったが治療が早かった為、ピュアの魔法で治すことが出来た。紋章のおかげで疲れを感じない。



「ありがとう。死ぬかと思った…」



「さ、さぁ早く安全な場所へ」



住人達を安全な家の中へと先導した。このままならアレンとジルが影の群れを殲滅させてくれるはずとリリィは思った。
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