サクセサーズ
そのとなりでリリィは、妙な胸騒ぎを感じていた。心を掻き毟られるようで嫌な予感がしてたまらなかった。




「あ、アレン…早く、ここ出よう?」



思わずアレンの服の裾を引っ張って催促した。



「ん…もういいのか?こっちはあらかた片付いたから別にいいが…ジルはどうする」



「あたしはもう少しここにいるわ。魔法陣の着く先は同じはずだから、先に行ってて頂戴」




「こ、こわいからジルも早くここを出た方が」



リリィは必死でジルを説得したが、ジルには笑って



「大丈夫よ。すぐ行くから心配しないで」


と軽く受け流されてしまった。
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