サクセサーズ
リリィはアレンと一緒に魔法陣のある祠へと歩き出した。一刻もこの場から立ち去りたいリリィの足は速かった。



「おい。どうしたんだリリィ」



アレンはリリィの様子がおかしいのに気がついて細い腕を掴んでとめた。振り返った彼女の顔は青白く、恐怖に払拭されていた。




「じ、ジルの方に近づいてる!あああ早く」




リリィの指差した場所にはジルしかいなかった。言われてみれば、気配はするのだが、姿が見えない。
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