サクセサーズ
「…ピュ、ピュア！」


ぱあっと手元から優しい緑色の光があらわれ、青年の傷ついた身体を包み込んでいく。みるみると傷はふさがっていき、青年の身体はほとんど傷がなくなっていた。


リリィはふぅ、と息をついた。久しぶりに魔法を使ったために一気に疲労が襲ってきた。身体がふらつき、めまいがする。



魔法は便利だがその魔法に使う魔力が多いほど、自分の身体に負荷がかかる。むやみに使うと生命の危険につながるのである。




ふらつく身体に鞭を打ってやっとの思いで地面に座り込む。



悠々自適な生活を送っているがばかりに、このような状況になっていることを思い知らされる。



早く、目覚めてくれないだろうか。そんなことを思いながら頭を留守にしていると隣で眠っている青年の眉が微かに動いた。


「う…ん」


目をゆっくりと開け、身体を起こした。
そして、偶然横を向いたリリィとその目が合ったのだ。
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